「着物の豆知識」の記事一覧

着物はなぜ今も「尺」で測るのか|鯨尺と一反12.5メートルに刻まれた江戸から続く物差しの知恵

呉服店で仕立てを頼むと、「裄は1尺8寸、身丈は4尺2寸で」といったやり取りが今も交わされる。日本中の暮らしがとっくにセンチメートルとメートルに切り替わっているのに、なぜ着物の世界だけ江戸時代の物差しが生き残っているのか。 […]

羽織はなぜ女性の礼装ではなかったのか|深川・辰巳芸者の反骨と、大正まで続いた男女の境界線

着物の上に羽織る一枚、羽織。今では性別を問わず自由に袖を通せるこの上着が、かつては着られる身分や性別が厳しく線引きされていたと知る人は少ないのではないだろうか。誰が、いつから羽織を着てよいとされてきたのか。江戸の身分制度 […]

「織りの着物」と「染めの着物」はなぜ格が違うのか|先染め・後染めの技法と大島紬・結城紬・御召にみる歴史

大島紬や結城紬は、着物にくわしくない人でも名前くらいは聞いたことがあるほど名高い高級織物である。ところがこの二つは、どれほど手の込んだ一枚であっても格の高い場には着ていけない。一方で、一見すると地味な江戸小紋や真っ白に近 […]

着物の茶色や鼠色はなぜこんなに種類があるのか|奢侈禁止令が生んだ「四十八茶百鼠」の色彩文化

茶色がかった着物と一口に言っても、焦茶、路考茶、団十郎茶、江戸茶と、実際に見比べると微妙に違う色がいくつも存在する。祖母の箪笥から出てきた着物の色合いを言葉にしようとして、結局どれも「茶色」としか言えずに戸惑った経験があ […]

着物の刺繍はなぜ立体的に浮き上がるのか|京繍・加賀繍・江戸刺繍にみる技法と歴史の違い

振袖の裾や礼装用の帯に指先をすべらせると、染めの模様にはない小さな凹凸に触れることがある。染料でつけた色ではなく、糸そのものが布の上に盛り上がって柄を描いているからだ。この凹凸の正体である「刺繍」は、実は染めや織りとはま […]

有松絞りと京鹿の子絞り、何が違うのか|東海の町人文化と京都の宮廷文化が育てた二つの絞り染め

帯や振袖の生地に無数の小さな粒が浮かぶ「絞り」を目にしたとき、それが京都の鹿の子絞りなのか、東海地方の有松絞りなのか、見分けがつかないという人は少なくない。同じ「絞り染め」という言葉でくくられていても、粒の大きさも、使わ […]