端午の節句の「菖蒲湯」に使用するのは「しょうぶ」で、「アヤメ」」や、アヤメに似た「花菖蒲(はなしょうぶ)」とも違います。どれも「菖蒲」と漢字で書く事が出来ますので、明確な違いが分から無いと言う方も多いと思います。
特に、「花菖蒲」と「アヤメ」は、開花時期と姿形も似ておりますので、混同してしまうと思います。
「菖蒲」はお風呂に入れると一種の薬湯風呂として利用出来ますが、「花菖蒲」「アヤメ」をお風呂に入れても意味は有りません。
菖蒲と花菖蒲、アヤメの違い
◯「しょうぶ」
「サトイモ科」に属し、「尚武」「勝負」と同じ読み方ですので、武家を中心に親しまれ、現在の「菖蒲湯」に入れる種類です。
「花菖蒲」「アヤメ」とは品種自体が大きく異なりますので、「花」は、一般的に鑑賞用には適していないと言われており、違いは明確です。
では、何故ここまで他の品種とは違うのに同じ字で書くのかが気になると思います。
それは、「葉」の形が似ており、開花する迄は、どれも見分けがつきにくいからだと言う説が一般的です。
黄緑色の小さな花が咲き、「花菖蒲」「アヤメ」とは姿形が大きく違います。
生息地帯については、水辺や湿地帯に多く、「泥地」によく見られます。
◯「花菖蒲」
「しょうぶ」とは違い、「アヤメ科」に属します。
度重なる品種改良の末に江戸時代頃から存在しており、花に関しては、花びらの中心部分が黄色いので、それが花菖蒲の違いで、次回からは一目瞭然だと思います。
「アヤメ」の花と比較した場合、大きさにも違いが有り、「アヤメ」より大きいです。
高さに関しては、1メートル近くまで成長する場合も有り、「アヤメ」よりも一回り大きく、葉に関しては、太さが「まばら」な場合が多く、「アヤメ」よりも太いです。
生息地帯に関しては、水辺等の湿地帯に多く見られると思います。
◯「アヤメ」
「花菖蒲」と同様に、「アヤメ科」に属します。
花に関しては、花びらの中心部分に向かうにつれて濃くなり、「網目模様」が確認出来る筈です。
「花菖蒲」のように、花びらに色合いのグラデーションは無い場合が多く、「花菖蒲」よりも小さいです。
高さに関しては、50センチ前後まで成長する物が多く、「アヤメ」よりも一回り小さく、葉に関しては、「花菖蒲」よりも細いです。
生息地帯に関しては、やや乾燥した地帯に多く見られると思います。
「菖蒲の花言葉は?湯船に入れたくなる理由」の記事も参考にしてみて下さい。