ざるそば、もりそば、せいろそばと色々とありますが、言われてみるとイマイチ違いが分かりませんよね。
ざるそばともりそばに関してですが、実際に注文すると、上に海苔が乗っかっているからかな?「ザル」を使っているかどうかだけ?って思ってしまうかも知れません。
私もそう思っていたのですが、実際は「ナイスアイディア」が始まりだと言われていて、そこから明確な違いが出てきたみたいなんです。
そんな難しい話でも無く、1度知っておくとモヤモヤが解消されますので、是非最後まで読み進めてみて下さい。
当記事では、ざるそばともりそばの違い、せいろそばとの違いについて説明させて頂きます。
「ざるそば」と「もりそば」は一緒なの?
簡単に言うと、「もりそば」に「ナイスアイディア」を足したのが「ざるそば」の始まりです。
ちょっと分かりにくいかも知れませんが、「もりそば」よりも格上なのが、「ざるそば」です。
今生まれていても、商売のセンスが有るので成功出来る人の勉強になるエピソードが始まりです。
江戸時代の中頃、とある蕎麦屋さんが他の蕎麦屋さんと差を付ける為に「ざるそば」を提供したのが始まりだと言われています。
現在、私達の生活に「ざるそば」が浸透しきっている所からも分かるように、繁盛している所を見て、みんなに盗まれてしまった(パクられた)から、今があると言う感じですね。
多分ですが、蕎麦屋さん激戦区でみんながみんな、「もりそば」と書かれた暖簾(のれん)なり看板なり出していたんでしょう。
当時ですから、今のように食のレパートリーが有る訳では有りません。
お客様からしたら、「どのもりそば屋にしよう…」と言う微妙な心境だったんでしょう…
そこで、もりそばと書かれていれば、「なに!もりそばって何だ?」と言う風になって、注文してみたくなりますよね。
「ざるそば」と「もりそば」の決定的な違い
現在では、ざるそばともりそばの決定的な違いは、「ざるに盛るか否か」しか無いとは言われています。
一般的な蕎麦屋さんであれば、その可能性も有りそうです。
ですが、当時であれば、ざるそばの方がやや高級な位置づけだったと言われています。
具体的には、「海苔」「つゆ」が違ったとは言われています。
例えば、あなたがざるそば、私がもりそばを注文した場合、あなたのざるそばには、しっかりとざるに盛られていて、上に海苔が乗っている状態で提供されます。
私の元には、ざるでは無く、器に盛られた状態で提供され、海苔は乗っていません。
次に実際につゆにつけて食べてみると、ざるそばのつゆの方が美味しいです。
理由は、当時高級だとされた「みりん」が入っているからです。
もしかしたら、そば自体も違ったのかも知れませんね。
「ざるそば」と「せいろそば」との違いは?
本格的と言うか、こだわりが強い蕎麦屋さんに多いと思いますが、お品書きに「せいろそば」と書かれている時がありませんか?
私もたまに見かける位ですが、「せいろそば」の「せいろ」は、中華料理の小籠包等を注文した時に出て来る「蒸籠」から来ています。
そばが好きな方の中では有名な話なのかも知れませんが、そばの調理の中には、「茹で」と「蒸し」が存在しています。
「そばを蒸す???」と不思議に感じる方も多いとは思いますが、そばを蒸す理由は大きく分けて2種類有るみたいです。
1つ目は、大量に作る必要が有り、茹でていると間に合わないから、2つ目は、茹でて提供するのが難しいからだと言われています。
「茹でられない蕎麦って何だ?」と思うのは当然ですが、十割蕎麦のように「つなぎ」が少なく、茹でるとブチブチ切れるような蕎麦です。
話は戻り、「せいろそば」が登場したのは、江戸時代の初め頃には登場していたと言われていて、「もりせいろ(盛り蒸籠)」と呼ばれていたみたいです。
実は、「ざるそば」よりも誕生が早いんですね。
この「もりせいろ」が一気に広まる事になったのは、江戸時代の終わり頃に蕎麦屋さんたちが起こした幕府への「蕎麦の値上げ要求」が大きく関係しているみたいです。
結局の所、蕎麦の値上げ要求は通りませんでしたが、その変わり、蕎麦の量自体を減らす事は可能になったみたいです。
有名コンビニエンスストアの定期的に量が減るお弁当みたいな話ですが、普通の人は怒りますよね?
そこで、登場したのが「スノコ」で、下に敷いてかさ増して提供したと言われています。
じゃあ、「かけそば」って何さ?
もりそば、ざるそば、せいろそばと比較した場合、かけそばが登場したのは後になります。
当時の蕎麦と言えば、別添えされたそばつゆに浸けて食べるのが一般的でしたが、ちゃきちゃきの江戸っ子達は一種の面倒臭さを感じ、直接めんつゆをドバっと蕎麦にかけて食べたみたいです。
このぶっかけスタイルが江戸っ子たちには好評だったらしく、一気に広まったと言われています。
もりそばにそばつゆを「ぶっかける」事から、ぶっかけそば→かけそばになったのが自然ですね。
ちなみに、「釜揚げそば」って聞いた事がありますか?
「釜揚げそば」と「かけそば」の違いとかあるの?
「釜揚げそば」と「かけそば」が存在しますが、両方とも温かいお出汁(だし)に浸かっている状態です。
確かに、お店のこだわりとかで呼び方が違うのかな?って思う方も居るかも知れませんが、ここにも明確な違いが存在します。
まず、「かけそば」に関してですが、普通のもりそばやざるそばと同じように、茹で上がった後に水に晒して水気を切り、蕎麦だしに入れたり、かけたりします。
一方、「釜揚げそば」の場合、茹で上がった後に水に晒す事はありません。
「釜揚げ」と言うと、じゃこ、いかなご等も有名だと思いますが、茹であげた状態で他に何もしない状態で提供する食材の事を意味するみたいです。
つまり、釜揚げそばは、かけそばのように、茹であげた後に水で晒したりせずに提供するそば。と言う事になります。
全てのそばに当てはまるかどうか分かりませんが、釜揚げそばの方が、食感がもっちりとするとは言われています。
きせまめのざるそばともりそばの違いまとめ
今は曖昧なお店も多いとは思いますが、なかなか面白いアイディアに感じませんでしたか?
どんな時代も素敵なひらめきをする人は居るんですね。
あと、「十割そば」「二八そば」は有名だと思いますが、たまに、「外二八そば」「逆二八そば」って有りますので、ちょっと不思議になった方も多いとは思います。
まず、「十割」は、そばだけ、「二八」は、そば8で小麦粉2で、「内二八そば」と呼ぶ場合もあります。
ここで理系や理数系の人は嫌がるかも知れませんが、「外二八」は、そば10に対して小麦粉2を足した物です。
計量時に、10杯そばを図って、更に2杯の小麦粉を足します。
「じゃあ、逆二八は?」と思いますが、乾麺の事を意味するみたいで、内二八や外二八のように、比率等を表す訳では無いみたいです。
あとは、立ち食いそば屋さんの事を逆二八そばって呼ぶ事もあるみたいですね。
最後になりますが、「新蕎麦」「陳蕎麦」って、意識して食べた事はありますか?
もちろん、「新蕎麦(しんそば)」は、旬の秋に収穫された新しいそばで、味・風味が良く、「秋新(あきしん)」と呼ばれる場合もあります。
ただ、今は技術等が上がっていますので、季節によって劇的に変わると言う訳でも無いみたいです。
「陳蕎麦(ひねそば)」は、「新蕎麦」の逆、つまり、旬を秋を過ぎてから収穫された蕎麦です。
「陳」は、古いと言う意味がありますからね。
もし宜しければ、蕎麦屋さんで意識して注文してみて下さいね。