「せせり」や「ぼんじり」等、そこまで焼き鳥に興味が無い方や「とりあえず、盛り合わせ」頼む事が習慣だった方からすれば、やや敷居が高いのが、鶏や牛、豚等の「部位」だと思います。
最近では、焼き鳥も随分と身近になり、それこそ仕事帰りの若い女性から学生の飲み会まで広く利用されるようになりました。
有名チェーン店等の飽くなき企業努力によってここまで来たのは理解出来ますが、仕事帰りの疲れきったオジサマサラリーマンが上司や部下の愚痴をこぼす場所から、ヘルシーで健康的な場所へと変わった事は驚きだと思います。
当記事では、焼き鳥の定番とも言える「せせり」と「ぼんじり」の部位について説明させて頂きます。
せせりの部位に関して
鶏はあの長く細い首を常に支えていますが、「せせり」は、私達で言う所の首の前の部位と「うなじ」辺りの部位です。
焼き鳥の人気部位の一つで、常にあの細く長い首を支えていますので、弾力が有り、噛むほどに味が出て適度な肉汁も堪能出来る部位ですが、鶏の首を見ても、数自体は少なく、有る程度は希少性の高い部位の一つです。
この部位は、英語の「首(Neck)」から来た「ねっく」や「小肉」と呼ばれる場合も有り、「身(み)」と呼ばれる場合も有り、「せせり」が全国共通だと言う訳でも無いみたいです。
そもそも、「せせり」の部位の名称は、関西地方の方言「せせる」から来ていますので、関西寄りの名称で、本来は「魚を食べる時の箸さばき」を意味する事で、身と骨、皮等の可食部を分けて食べる動作を意味します。
ぼんじりの部位に関して
最近では、地域によるとは思いますが、鶏1羽が「丸(まる)」の状態で売っている事自体が珍しくなって来ましたし、1羽丸ごと調理した「ローストチキン」に関しても「ぼんじり」の部位が切り落とされていますので、見た事が無いと言う方も多いかも知れません。
「ぼんじり」は、部位的に鶏のお尻のしっぽ部分、人間で言う所の「尾骶骨(びていこつ)」辺りの尾の羽部分を支えている部分です。
もちろん、「ぼんじり」は、鶏1羽辺り1個しか無い部分ですので、希少性が高く、焼き鳥屋さんの技術力によって、「脂ギトギト」で臭くて胸焼けのする物から、「モチモチ」した独特な食感を楽しめる玄人好みの味にまで変化する事が有る魅力的な部位でもあります。
この部位は、「ぼんじり」よりも、切り落とした時の形状からか「さんかく」と呼ばれる事の方が多く、単純に「テール」と呼ぶ場合も有ります。
地域によっては、「ぼんぼち」や「ごんぼ」と呼ぶ場合も有ります。