「出世魚」は、成長度合いによって呼び方が変わる種類で、「ブリ」「ボラ」「スズキ」等が有名だと思います。
当記事では、出世魚の種類一覧と「ことわざ」、出世魚以外でも大きさによって呼び方が変わる魚について説明させて頂きます。
出世魚の種類一覧
◯「ブリ」
関東と関西、九州で呼び方が異なり、関東では「ワカシ」「イナダ」「ワラサ」「ブリ」、関西では「ツバス」「ハマチ」「メジロ」「ブリ」です。
九州では、「ワカナゴ」「ヤズ」「ハマチ」「ブリ」です。
◯「ボラ」
関東と関西で呼び方が異なり、関東では「オボコ」「イナッコ」「スバシリ」「イナ」「ボラ」「トド」、関西では「ハク」「オボコ」「スバシリ」「イナッコ」「ボラ」「トド」です。
似ていますが、「イナダ」は違います。
◯「スズキ」
関東と関西で呼び方が異なり、関東では「セイゴ」「フッコ」「スズキ」、関西では「セイゴ」「ハネ」「スズキ」です。
出世魚以外で成長によって呼び名が変わる魚
◯「マグロ」
「メジマグロ」から「マグロ」
◯「メバチマグロ」
「ダルマ」から「メバチマグロ」
◯「キハダマグロ」
「キメジ」から「キハダマグロ」
◯「シマアジ」
「シマアジ」から「オオカミ」
◯「サワラ」
「サゴシ」「ヤナギ」「サワラ」
◯「ヒラメ」
「ソゲ」から「ヒラメ」
◯「真鯛」
「チャリコ」から「真鯛」
◯「黒鯛」
「ち◯ち◯(◯の中は「ん」です)」「カイズ」から「黒鯛」
◯「石鯛」
「シマダイ」「石鯛」
◯「カンパチ」
「ショゴ」から「カンパチ」
◯「コハダ」
「シンコ」「コハダ」「ナカズミ」「コノシロ」
出世魚と「ことわざ」
◯「寒ボラ」
「ボラ」は冬が美味しいからです。
◯「とどのつまり」
出世魚の「ボラ」から来た「ことわざ」の一つで、「行き着く所」と言う意味で、ニュアンス的には悪い結末の場合に用いられます。
◯「海老で鯛を釣る」
昔から鯛を釣るのに海老は最適だと言われていますが、「海老(最小の労力等)」で「鯛(高級魚)」を得ると言う「ことわざ」です。
◯「鯛の尾よりイワシの頭」
鯛のように大きな所で上を目指すよりも、イワシのように小さな所で上に立った方が世間的に見ても良いと言う意味の「ことわざ」です。
◯「腐っても鯛」
「鯛」のような高級魚でしたら、少々鮮度が落ちて来たとしても、そこまで価値は下がらないと言う意味の「ことわざ」です。
◯「人は武士、柱は檜(ひのき)、魚は鯛」
「身分の高さ」を表したと言われています。
◯「喉元過ぎれば鯛もイワシも同じ事」
栄養学や価値観的には違いますが、どんな食べ物も同じような物だと言う「ことわざ」です。
◯「鯛も独りは美味からず」
「鯛」のように高級魚で美味しい魚であったとしても、独りで食べては美味しく無いと言う意味の「ことわざ」です。
◯「寒ブリ」
「ブリ」は冬が脂が乗って美味しいからです。
◯「沖ハマチ」
関東と関西で出世魚としての「ブリ」の呼び方は変わりますので、関東方面の方は聞き慣れない「ことわざ」かも知れませんが、回遊魚である「ブリ」を待つ様子から、「いつ来るのか分からない回遊魚を待つような状態」を意味する「ことわざ」です。
◯「寒スズキ」
冬にかけて産卵を控えた「スズキ」は美味しくなりますが、年明け位から産卵してしまいますので、美味しく有りません。
◯「左ヒラメ右カレイ」
顔の位置で覚える為に出来たと言われています。
◯「3月ヒラメは犬も食わぬ」
毎年3月頃、深い海の底から浅い岸際に「ヒラメ」は産卵目的で接岸しますが、「産卵後」の「ヒラメ」は、味が落ちますので、犬も食べない位美味しく無いと言う意味の「ことわざ」です。
◯「ヒラメ40」
ヒラメは魚を咥え、徐々に飲み込む習性が有ると言われていた時に、生き餌を咥えたとしても、「40秒は待ちなさい」と言う意味です。
◯「鯛やヒラメの舞い踊り」
次から次へと素晴らしい物が現れるような状態を表す「ことわざ」です。
関係する「ことわざ」
◯「イワシの目爛れ(ただれ)、サバ腐れ」
「イワシ」や「サバ」は「足が速い(腐りやすい)」魚として有名ですが、鮮度が落ちて来た場合、目が赤く、「爛れ(ただれ)」たようになります。
◯「イワシの頭も信心から」
「イワシ」の頭のように要らない物であったとしても、信心によっては用途が生まれると言うことわざです。
◯「イワシ七度洗えば鯛の味」
「イワシ」は脂が乗る反面「生臭く」、「鯛」は淡白ですが、「イワシ」も「生臭さ」が無くなれば「鯛」のように美味しいと言う「ことわざ」です。