「りんご病」は俗称であって、正式名称は「伝染性紅斑」と言い、「パルボウイルスB19」による感染症の事を意味します。
子供であれば、発症すると頬が紅く染まってしまう症状が代表的で、その見た目から「りんご病」と呼ばれ始めたと言うのが一般的です。
頬が紅く染まる症状以外には、「発疹」が全身に出てしまう場合も有りますが、時間の経過と共に症状が治まる場合が多いのが、子供が発症した場合の特徴の一つとも言えます。
最近問題になっているのは、大人がりんご病に感染してしまう事で、子供とは症状や危険性が異なります。
当記事では、りんご病の症状と大人が感染した場合の症状、子供の症状との違い、感染に関する知識等について説明させて頂きます。
りんご病に感染した大人の症状
まず、「りんご病」と呼ばれる理由となった「頬の紅斑」が大人の場合は症状として出ない事が多いと言う特徴が有り、頬や顔が少し熱を持ったように感じる程度だと言われています。
体質によっては、子供の症状と同じように、顔以外に赤い「発疹」が出てしまう場合も有ります。
通常、大人が「りんご病」に感染してしまった場合、「熱」や「頭痛」、「寒気」や「筋肉の痛み」等、「風邪」や「風邪のひき始め」に似た症状が出始めます。
この症状が出始めた後、次は何の症状も出ない日が7日前後続き、「風邪」や「風邪のひき始め」と誤解されてしまいがちです。
何の症状も無い状態を過ぎると今度は、大人であったとしても「頬の紅斑」が出始め、体質によっては、全身に「発疹」が見られるようになり、「頭痛」や「発熱」、「身体のむず痒さ」や「関節の痛み」、「原因不明の筋肉痛」等の症状が出てしまいます。
このように、大人が「りんご病」に感染した場合、比較的軽度であれば、上記のように「風邪に似た症状」で済む場合も有ります。
問題なのは、「関節の痛み」「原因不明の筋肉痛」等、りんご病に感染した事によって「多発性関節痛」を発症してしまう事です。
大人のりんご病による「多発性関節痛」
最終的に「多発性関節痛」を発症してしまった場合、体質によっては、「日常生活」に支障を来す位の痛みが有りますが、現状では「痛み止め」を処方する位しか出来無い場合が多いです。
理由は、「りんご病」の原因である「ヒトパルポウイルスB19」には、「ワクチン」が存在しないからです。
大人がりんご病を発症してしまい、重症化して「多発性関節痛」を発症してしまったとしても、ウイルスが体外に排出されるのを待つのが一番確実とされ言われている位です。
りんご病の感染経路
子供が感染・発症し易いウイルス性感染症の一種と誤解されてしまいがちですが、最近では、大人が感染する場合も多々有り、「紅斑」が症状として出ない場合も有ります。
「経口飛沫感染」が殆どですので、何処に居たとしてもりんご病に感染する可能性は有ります。
また、症状が出る7日以上前に血中に存在し、「発症」した頃には「感染源」である事を終えていると言われています。
「発症」した頃には気道分泌物として体外に排出されてしまった後ですので、周囲の人間が「マスク」や「うがい」等をしたとしても既に遅いと言われています。
周囲に子供が居ない環境で生活していたとしても、知らず知らずのうちに感染してしまっていたと言う話も少なく有りません。
「りんご病に妊婦が感染すると?妊娠初期から注意」の記事も参考にしてみて下さい。