無花粉スギを反対する前に知りたい事

無花粉スギは、「ハルヨコイ」「爽春」「立山森の輝き」と呼ばれる品種で、「突然変異」によって偶発的に生まれた品種を改良する事によって生まれました。

この「突然変異」種を使用している事が、反対されている一番大きな理由だと言われています。

 

本来であれば、存在しない筈の品種を増やす事自体が、自然の摂理に従っていないとも言えます。

また、日本中のスギを全て無花粉スギに植え変える計画も存在しますが、それは、「既存のスギ」を消してしまうと言う意味でも有ります。

 

そもそも、花粉を飛ばす事は、動物で言う所の「子孫繁栄」に繋がる行為と言えますので、「スギ」の事を考えると、反対する気持ちも理解出来ます。

日本に存在する木の1割近くがスギと言われている位ですので、無花粉スギに植え替える費用と「既存のスギ」を処分する費用は莫大な物になると思います。

 

スギは高度経済成長期辺りに、家や建築物を建てる為に大量の木材が必要になると言う理由で日本各地に植えられたのが始まりです。

他の材木よりも成長が早い事も特徴の一つで、必要だからと言う理由で全国各地に植えられ、今度は花粉が困るからと言う理由で全国各地から消すと言う動きも出ています。

 

皆様はご存知かどうかは分かりませんが、一昔前にブームになった「ブラックバス」と言う魚に状況は似ているようにも感じます。

「ブラックバス」は「釣って楽しい」と理由で全国各地に放流され、今度は、「生態系が壊れ、釣り道具のゴミが増える」と言う理由で駆除対象になります。

 

「無花粉スギ」を反対するのか賛成するのかについては、意見が分かれてしまうと思いますが、個人的には、嬉しくも有り、悲しくも有るのが正直な所です。

 

無花粉スギは増える事は出来ない?

無花粉スギは、花粉を飛ばす「雄花」にのみ異常が有る品種ですので、「花粉」を生成する事は出来ません。

当然、自分達では増える事は出来ない品種ですので、基本的に「挿し木」でしか増やす事は出来ないと言われています。

 

ガーデニングで言う「挿し木」は、「親木」から「茎」もしくは「枝」を切り離して植える手法です。

無花粉スギの場合は、「培養瓶」内で「親木」をそれなりの大きさに育つまで特別な環境で培養し、それを繰り返します。

 

元々突然変異で生まれた品種ですので、「突然変異のクローン」と言った所です。

「クローン」と言う単語を聞いただけで反対されてしまう方も多いのですが、日本の桜で一番多く植えられている「ソメイヨシノ」と言う品種は、殆どが「クローン」です。

 

ヒノキ花粉の大きさと、間違ったマスク選び」の記事も参考にしてみて下さい。