さつまいもにも数え切れない程の種類が有り、現在では流通の進歩やネット通販の普及も有り、毎年非常に楽しみにされている方も多いと思います。
当記事では、食感が「ほくほく系」「ねっとり系」のさつまいもの代表的な種類と、「干し芋」や「料理」に使用さる事が多い種類、「焼酎」や「デンプン抽出用」に特化した種類について説明させて頂きます。
食感が「ほくほく」する種類
◯「鳴門金時」
「高系14号」を元に改良された種類で、さつまいもが好きな方なら1度は聞いたり食べたりした事が有る位有名です。
食感が「ほくほく」するさつまいもの代表のような種類で人気です。
◯「大栄愛娘」
「甘しょ育成研究会」が「高系14号」を元に美味しい物だけ選別したさつまいもの品種で、「千葉県成田市」の限られた農家しか作る事が許されない為、市場に出回る数自体は少ないです。
◯「紅あずま」
鳴門金時と双璧を成す非常に人気のさつまいもの種類で、繊維質が少なく加工し易いのが特徴で、「ねっとり」さも有り、さつまいもらしさを感じさせ、バランスが良いと言われています。
自分で栽培される場合は、収穫後約2週間は冷暗所で保存した保存した方が甘みが強くなります。
「紅こがね」は、「紅あずま」の有料品種のみ選り分けた種類で、「JAなめかた」の「商標登録商品」です。
個人が「紅こがねの苗」から栽培しても「紅あずま」にしかなりません。
◯「紅こまち」
「紅あずま」の近い種類で、「千葉県香取市栗源町」の特産品として有名なさつまいもです。
◯「紅はるか」
「九州121号」と「春こがね」を交配させた種類で、非常に新しいさつまいもです。
味わいは「安納芋」に近いと言われる程で、今後普及してくる可能性もあります。
◯「高系14号」
「東の紅あずま、西の高系14号」と言う言葉も有る位、西日本での収穫量が多く、「紅さつま」等の「高系14号」を改良した有名な種類のさつまいもの元になっている事でも有名です。
「紅あずま」と比較した場合、数ヶ月単位での保存にも耐えられますので、沢山栽培して長く楽しみたい方にも人気の品種です。
◯「五郎島金時」
味や形等のバランスが良い種類で、「石川県」の特産品として有名なさつまいもで、「金沢市五郎島」の大地に合わせて「高系14号」を品種改良したものです。
◯「宮崎紅」
表面に薄い血管のような筋が出る事が多い事も特徴の一つで、甘くて美味しい事でも有名です。
食感が「ねっとり」する種類
◯「紅まさり」
有名な「高系14号」を超えるさつまいもとして有名な種類で、現在では栽培量・需要共に多いです。
「ねっとり」感も有り、甘みも強くバランスととれた種類だと言われています。
◯「紅はるか」
さつまいも専門卸問屋「ポテトかいつか」のブランドで、加熱後の水分含量率が高い事が特徴で、「口当たり」が良く、「甘み」が強い事でも有名で、シンプルに「焼き芋」として食べる事に適しています。
「甘太くん」「紅天使」も「紅はるか」が元です。
◯「安納芋」
甘みや旨味が強く、製菓材料にするよりは、焼き芋等「安納芋らしさ」を楽しむ事に向いているさつまいもの人気の種類です。
ただ、栽培は初心者にはやや難しいとされ、高級さつまいもとしても有名な種類だと思います。
「灯籠蜜いも」は「安納芋」の産地ブランド商標名で、「安納紅」は表皮が紅いさつまいも、「安納黄金」は、表面が白っぽい品種の事です。
「フルーツこがね」は、「安納芋」の特に甘い種類を選抜した物で、「フルーツ」と言う名称からも分かるように、甘みが非常に強い事も魅力です。
◯「シルクスイート」
「春こがね」「紅まさり」の交配種で、非常に新しい種類のさつまいもですが、加熱調理した時の味が良く、需要と栽培数が急上昇している人気の種類の一つです。
◯「クイックスイート」
「農研機構」による品種改良によって開発された種類で、「電子レンジ」での加熱調理に適しており、でんぷんの「糊化」温度が通常のさつまいもよりも低いのが特徴で、電子レンジでも「本格石焼き芋」の味が楽しむ事が出来るのが特徴です。
◯「あいこまち」
「クイックスイート」と「関系107」の交配によって生まれた種類で、「ねっとり」感と「ほくほく」感のバランスが50対50位だと言われており、加熱加工後は美しい黄色をしており、退色しにくい事から、製菓用や和菓子等、様々な分野で利用される事が多く、甘みが強いです。
◯「栗黄金/マロンゴールド」
比較的新しく生まれた種類ですので、一般的な流通量自体が少なく、栽培も難しい為、初めて聞いた方も多いと思います。
上手く栽培出来れば「栗」の名前が付く事からも分かるように、「上質な和栗」のような味が楽しむ事が出来るさつまいもの種類です。
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◯「人参芋/隼人参」
皮を剥くと、まるで人参のような鮮やかな色が特徴で、こだわりのレストランや製菓店等で扱われる事が有る種類で、普通のさつまいもを栽培するだけでは物足りない方に人気の種類です。
「紅きらら」は、「人参芋」に近い種類のさつまいもです。
◯「あやこまち」
切るとまさに「オレンジ色」のさつまいもで、「サニーレッド」「九州122号」を交配させた種類で、鮮やかな「オレンジ」色をしている事から、紫芋のように色を活かした加工に向いています。
冷えても十分に甘くて美味しい種類ですので、和菓子や洋菓子等にも人気です。
◯「種子島紫」
一般的に焼き芋や料理の付け合せ等に使用されている「紫芋」は、「種子島紫」の場合が多く、砂糖等を加えなくても、加熱すれば十分に美味しく食べる事が出来ます。
品種改良や交配種では無く、「種子島」に昔からある種類のさつまいもです。
◯「なかむらさき」
「種子島紫」と同じように、日本に昔から存在する種類ですが、「二宮」と「太白」の「交配種」と言う点で違いが有ります。
最近は、「安納芋」のようにハッキリとした甘みが人気なのか、上品で控えめな甘さの「なかむらさき」は現在では需要や栽培量が少なく、人気も有りません。
製菓や和菓子用は「あやむらさき」の地位が確率しておりますので、今後はより希少な種類のさつまいもになりそうです。
◯「あやむらさき」
「紫芋」として有名な種類で、「製菓用」「芋焼酎」等に使用される事が多く、甘みや旨味が少なく、そのまま食しても「さつまいもらしさ」は感じられません。
◯「パープルスイートロード」
「あやむらさき」と比較すると甘みや旨味が有り、加熱調理にも適しています。
一般的に「紫芋」はさつまいもの中でも甘み等が控えめな場合も多いのですが、「パープルスイートロード」は、シンプルに焼き芋としても十分楽しめる種類です。
「干し芋」専用のさつまいもの種類
◯「玉乙女」
もちろん、加熱して食した時も十分美味しいとは言われていますが、「干し芋」に適した種類だと言われており、全体的に繊維質が少なく、美味しそうな黄色に仕上がるとされ、「干し芋」に求められている条件を高い規準で満たしていると言われています。
◯「ヒタチレッド/ヘルシーレッド」
「干し芋」専用に品種改良されている訳では有りませんが、繊維質が少なく、甘みが強い事から、「干し芋」に利用される事が多い種類です。
「料理用」さつまいもの種類
◯「カイアポ」「白甘藷」
そのまま焼き芋等にして食べる方は少ないと思いますが、栄養が非常に高い事で有名で、特に甘くする必要が無い外国の料理等に利用される事がある種類です。
「焼酎用」さつまいもの種類
◯「黄金千貫」
「芋焼酎」の材料になる事で有名なさつまいもの種類で、焼き芋等にされる方は少ないと思います。
「でんぷん抽出用」の種類
◯「しろゆたか」
「でんぷん」を抽出する為に品種改良されたさつまいもの種類ですので、甘さも無く、食べても美味しくは有りませんし、じゃがいものような美味しさも有りません。