大リーグ養成は、やや乱暴な言い方をすれば、腕に強力なバネ「エキスパンダ」をつける事によって、腕全体の筋力を鍛え、投球の技術を上げる事を目的とした矯正器具のような物です。
現在では、海外や日本では、どのようにして訓練すれば筋力を上げるのかは明確化しており、その選手に合わせて適切なメニューを実践して行くのが一般的です。
では、現在の視点から見た場合、「大リーグボール養成ギブス」は本当に適切なのかが気になると思います。
今回は、当サイト管理人の個人的な意見も入っていますので、何か有りましたら、コメント等に頂けると幸いです。
大リーグボール養成ギブスは、間違い?
まず、投球に必要な筋肉についてですが、「回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」を中心として筋肉を鍛える事が必要です。
「セラチューブ」「セラバンド」等の専用のゴムを足で踏むか下に固定し、腕を伸ばして「回旋筋腱板」周辺の筋肉の動きを意識しながら鍛えるのが効率的だとされています。
「大リーグボール養成ギブス」の場合、「回旋筋腱板」鍛えるには、少し頼りなく感じてしまいます。
次に必要なのは、肘から肩までの部分の筋力で、特に前腕部分の筋力が力強い投球には必要です。
前腕部分の筋力を意識して鍛えたい場合、やや重めのダンベルを使用し、「リバースカール」と呼ばれる手法を実践するのが効率的だとされています。
「リバースカール」は、前腕部分のみでダンベルをゆっくりと勢いをつけず、筋力だけでゆっくりと持ち上げます。
「大リーグボール養成ギブス」の場合、かなり投球し続ければ前腕部分を鍛える事も可能かもしれませんが、あまり効率的な感じはしません。
次に重要なのは、「グリップ力」ですので、筋肉では無く、指周辺の「筋」を引っ張る筋肉、「深指屈筋」「浅指屈筋」「虫様筋」「指伸筋」「背側骨間筋」等を鍛える必要が有り、前腕部分に集まっています。
それを鍛える為には、ゴムボール等でグリップ力を鍛えるのが効率的だと言われていますが、「大リーグ養成ギブス」のバネ部分は少し怪しく感じます。
あと、筋肉は片方だけ鍛えてもバランスが悪くなり、身体が捻れて来る可能性も有り、左右均等にする必要が有ります。
また、バランスの良い身体作りをする場合、下半身作りも必要ですので、「大リーグ養成ギブス」は、お守り的意味やモチベーション維持の意味合いを兼ねているのかも知れません。
「高校野球の塁間と知っておかないと恥ずかしい話」の記事も参考にしてみて下さい。