鯉のぼりの吹き流しに意味は有る?実際の所

端午の節句の「鯉のぼり」の一番上に付いている「5色の筒」もしくは「鯉をモチーフにした物」の事を「吹き流し」と呼びます。

吹き流し以外には、「回転球」「かご玉」が飾ってある場合も有りますが、意味は同じです。

 

吹き流しの意味は、風の向きや強さ等を測る物で、当時は黒い鯉のみでした。

時代の流れと共に、「親鯉(黒)」「母鯉(赤)」「男子鯉(青)」「女子鯉(桃)」等の家族鯉のぼりになり、上に「吹き流し」等が増えました。

 

吹き流しの意味

「鯉のぼり」と言う習慣が生まれた当時は、「黒鯉(真鯉)」一匹のみで端午の節句を祝いました。

この一匹の黒い鯉のぼり自体が、「吹き流し」の意味を持っていますので、その流れから着けていると言われています。

 

鯉のぼり自体は元々武家社会にのみ流行った物ですので、こういった豪華な物は、言わば「身分」「裕福さ」「財力」を周囲に知らしめる為にうってつけでした。

そして、一般化された「江戸時代中期頃」に現在に近い形になり、「高度経済成長期」を経て豪華な物になったのでは?と言う意見も有ります。

 

つまり、端午の節句の鯉のぼりの上に「吹き流し」を付ける理由は、「演出」「装飾」以外無いと言われています。

鯉のぼりだけでは、何となく寂しく感じてしまうようでしたら、「吹き流し」を付けても良いと思いますし、無いから効果が半減すると言う物とは考えにくいと思います。

 

鯉のぼりのに鯉を選ぶ意味

近所の川や用水路、池等にも鯉は、春夏秋冬常に元気そうに泳いでいると思いますが、それは、鯉が強く、環境適応能力が強いからです。

端午の節句の吹き流しに鯉のぼりを使用する理由は、鯉のように、どんな逆境や環境にも強く対応して欲しいと言う意味も込めています。

 

現在ではあまり知られていませんが、「鯉」は山へと登り、「龍」になると言う「後漢書」の故事から、端午の節句に鯉のぼりを使用している意味が来ていると言う説も有ります。

「登竜門」や「鯉の滝登り」はこの「後漢書」から来ており、「登竜門」は「将来、出世する為に超えなければならない関門」「将来、立身出世する為の糸口」と言う意味も兼ねています。

 

「鯉の滝登り」は、「その狭き関門を超えた後に龍になる」と言う「故事」から来ています。

つまり、端午の節句の鯉の滝登りに鯉を選んだ意味は、「辛い試練が有るかも知れないが、無事乗り越え、立派な男性に育って欲しい」と言う願いも込めていると考えられます。

 

端午の節句の人形は、誰が買うのが正しい?」の記事も参考にしてみて下さい。