「しょうぶ」と「あやめ」は、両方とも漢字で「菖蒲」と書きますが、それぞれ、「サトイモ科」「アヤメ科」に属し、大きな違いが有ります。
「菖蒲(しょうぶ)」は「菖蒲(あやめ)」と比較すると、花の咲く位置が下の方で、華やかさは有りませんし、芳香成分が違います。
この芳香成分は、現在でも「精油」として利用されている位で、血流の改善や疲れを解消させる効果、ストレス解消やリラックス効果が期待出来ると言われています。
もちろん、端午の節句に使用されるのは、「菖蒲(しょうぶ)」で、「菖蒲(あやめ)」は「文目(あやめ)」と記載している場合もあります。
開花時期が5月頃から6月頃ですので、混同されてしまっている方も多いと思います。
菖蒲(しょうぶ)の花言葉
「優しい心」「信頼」「我慢強さ」「優雅さ」「情熱」を連想させる花言葉が有ります。
菖蒲(あやめ)の花言葉
日本では、「良い便り」「愛」「消息」を連想させる花言葉が有り、海外では、「信頼」「友好」「叡智」を連想させる花言葉が有ります。
世界中の何処でも、前向きな意思を感じる花言葉しか有りませんので、人に贈る場合も慶んで頂け易いです。
端午の節句と菖蒲湯(しょうぶゆ)
元々中国から来た習慣で、「ちまき」と同時に「菖蒲」が伝わりました。
無病息災の意味合いも有り、当時の中国では、「菖蒲酒」を呑む習慣も有りました。
また、軒へと吊るし、家へ邪気が入り込むのを防いだり、枕の下にひく事によって、睡眠時に精神を守る等の習慣が有りました。
この頃には、まだ「菖蒲湯」に入ると言う習慣は無く、「徳川幕府」時代の武家社会に端午の節句が浸透していた頃の「験担ぎ(げんかつぎ)」から来ていると言われています。
「しょうぶ」は、漢字で「勝負」「尚武」と書く事も出来ますので、戦の前に湯船に漬けて入ったとも言われています。
「尚武」とは、武道や武勇を重んじる精神と言う意味です。
特に「戦」前は気持ちが高ぶっていますので、一種の「興奮状態」だと思いますが、菖蒲には、ストレス解消やリラックス効果期待出来、「古傷」を癒やしたとも言われています。
「戦」前に冷静さと取り戻し、心身共にリラックスして健康的な状態で戦に臨みたいと言う気持ちもあったと言われています。
時々、「根付き」の物を頂いたり、購入出来たりする場合が有りますが、「根付き」の方が菖蒲湯にした時の効果が強いです。
「端午の節句の人形は、誰が買うのが正しい?」の記事も参考にしてみて下さい。