無水エタノールの用途と「消毒用」等との違い

消毒や掃除目的でアマゾンでエタノールを購入しようとすると、何気ない感じでアルコールも表示されていますので、「ん?どう違うんだったっけ?」と思い、少し調べてみました。

更には、エチルアルコール、酒精(しゅせい)等も出て来ますので、正直、1回で良いので基準とかが知りたくなりませんか?

 

先に答えを言ってしまうと、これらはすべてアルコールに属するみたいですので、広い意味では同じみたいです。

「でも、ちゃんとした基準とか有るんでしょ?」と調べてみると、人によっては興味深く感じるとは思いますし、「あっ、そう」と言う結果になりましたので、興味が有る方は参考にしてみて下さい。

 

当記事では、エタノールとアルコールの違いや他の名称との使い分け、消毒に関するアレコレについて説明させて頂きますね。

 

エタノールとアルコールの大きな違い

広い意味では同じだと説明しましたが、イマイチ分からない所も多いとは思います。

実際の所、「アルコール」は、エタノール、エチルアルコール、酒精等の「総称」みたいです。

 

つまり、消毒用とかも有りますが、一番分かりやすい所で言うと、「お酒」に含まれているアルコールは、「エタノール」です。

私個人的には凄く違和感が有りますが、「今日は車なので、エタノール飲めません」も、間違ってはいない。と言う事ですね。

 

ちなみに、「エタノール」と「エチルアルコール」の違いに関してですが、「エチルアルコール」の「国際科学命名法」的な呼び方が、「エタノール」みたいです。

それにちょっと似ていますが、「酒精」は、単純に日本での呼び方とされています。

 

「エタノール」と言うと、人体に悪影響が出てしまいそうなイメージしかありませんが、普通に毎日のようにお酒を飲んでいる人も居ますので、呼び方を変えるだけで大きく変わってしまいますね。

適量を超えると人体に悪影響を及ぼしてしまいますので、怖いには変わりありませんが…

 

もちろん、「全部エタノールなら一緒でしょ?」と言う感じで、違う用途で使用するのは、絶対にやめて下さいね。

 

「エタノール」にも色々あるみたい

ドラッグストア等にエタノールを買いに行くと、「無水エタノール」「消毒用アルコール」等も販売されていますので、違いがちょっと気になりますよね。

私もちょっと自信が無いので話半分に聞いて欲しいのですが、この3種類は、「体積パーセント(v/v%)」が違います。

 

「v/v%」のvは、値席を表す「ボリューム(Volume)」の頭文字です。

「エタノール」として販売されている物であれば、15℃でエタノールが95.1〜96.9v/v%含まれています。

 

●無水エタノール

「無水エタノール」であれば、15℃でエタノールが、99.5v/v%以上含まれていますので、非常に高純度、主に精密機械等の洗浄に使用されると言われています。

ちなみに、「無水エタノール」って、価格がポンって高くなりませんか?

 

単純に精製とかが難しいとかも有るとは思いますが、「酒税」が上乗せされてしまうからだと言われています。

「えっ?酒税???」と不思議に思う方も多いとは思いますが、「引用しようと思えば出来るから」だそうです。

 

●消毒用アルコール

「消毒用アルコール」は、15℃でエタノールが、76.9~81.4v/v%以上含まれている状態で、ここでは、「手指消毒用アルコール」とは分けています。

消毒用アルコールの主な使用先は、病院で、酒税による価格上乗せを避ける為に「イソプロパノール」を添加したり、「変性アルコール」を使用したりしているみたいです。

 

「イソプロパノールって何?」と思う方も多いとは思いますが、エタノールとほぼ同じ位の消毒効果が期待出来る物だといわれています。

「イソプロピルアルコール」とも呼ばれ、飲む事が出来ませんので、酒税適応外みたいです。

 

あと「変性アルコール」は、「変性剤」を加える事によって、飲食に使用する事が出来ないようにした工業用アルコールですので、こちらも酒税適応外です。

私は「変性剤」をここで初めて知ったのですが、飲食物や嗜好品等に使用されない為に加える物で、臭いや毒性が有ると言われています。

 

手指消毒用や掃除用アルコールは何が違う?

●手指消毒用アルコール

単純に純度が高い程良さそうに感じますが、アルコールは凄い勢いで蒸発してしまう物ですし、手の潤い等も一緒に蒸発してしまいます。

ですので、手指消毒用のアルコールの場合、純度が低めですし、手の潤いを補充する成分が含まれている事が多いです。

 

●掃除用アルコール

他のアルコール系の商品とは違い、明らかに安く入手出来てしまうのですが、これにはちゃんとした理由が有るみたいです。

まず、飲食物には使用出来ませんので、酒税の上乗せが有りません。

 

更に、肌に触れる訳でも無いので、やや決まり等が優しいとは言われています。

あと、掃除用アルコールは、濃度が濃ければ濃い程良さそうな気もしてしまうかも知れませんが、消毒の事を考えた場合、濃度80%が一番良いみたいです。

 

危険性が高いアルコールもあります

世代によっては聞いた事が無い方も居るかも知れませんが、「目散る」で有名な、メチルアルコールは劇物の一つです。

目が散るは大げさな話では無く、神経に作用し、失明に至るケースも有るとは言われています。

 

メチルアルコールは、「メタノール」とも呼ばれていて、理科や科学の実験で使用するアルコールランプに使用される事が多いと言われています。

私も実験等で使用した事が有りますが、そんな危ない物だったのか…と驚いています。

 

アマゾンとかでもアルコールランプは購入出来ますが、専用のアルコールは、「燃料用アルコール」として販売されていますね。

成分比率的には、メタノール76.6%、エタノール21.4%、イソプロパノール0.3%と記載されていました。

 

きせまめののエタノールとアルコールの違いまとめ

少しはお役に立てましたでしょうか?

アルコールと言うと、お酒等のように飲食物系のイメージが強くなりがちですが、それ系は全部該当するんですね。

 

無水エタノールとかの値段が高いのは、精製する為には、高い技術や設備が必要だからだと思っていましたが、酒税が乗っかってしまうからと言うのが面白いですね。

あと、アルコールって、いつ位から日本浸透したんだろう?って思ったのですが、江戸時代頃にオランダから伝わったのが始まりみたいですね。

 

オランダでは、「アルコホル(alcohol)」と言うみたいなんですが、それが素直にそのまま伝わったみたいですね。

じゃあ、何でアルコホルじゃ無いんだ?と思ったのですが、「歴史的仮名遣い」が関係しているらしく、「ほ」は、文節初め以外は「お」にする必要があるからみたいです。

 

そこで、アルコホルの「ホ」は、文節初めでは無いので、「お」に変わり、アルコオルになったと言う説があります。

アルコオルは以外と最近まで言われていたらしく、実は昭和初期頃までは呼ばれていたみたいです。

 

ただ、この頃になると、現在のエチルアルコールや酒精等の呼び名も登場し、アルコールの呼び名が複数ある状態だったみたいです。

色々ごちゃごちゃしていましたので、資源局が昭和6年頃に「アルコール」として標準用語を決定したみたいです。

 

ちょっと面白いなって思ったのが、フランスでは「H」は発音しない決まりですので、日本と同じように、「アルコール」と呼ぶみたいですね。