干し芋の作り方(本格と手軽)とカビ状の結晶

秋も深まり、本格的な冬が近づいた頃になると、「サツマイモ」が旬を迎え、「干し芋」が最も美味しい季節です。

現在ではコンビニやスーパー等で「干し芋」は1年中購入する事も出来ますが、もし、美味しそうな「サツマイモ」が手に入った場合は、今年は「干し芋」作りに挑戦するのも面白いと思います。

 

また、「干し芋」を購入したり作ったりした時に、表面が白く変色する事が有り、「カビではないか?」と不安に思う方も多いと思います。

当記事では、「本格的な干し芋の作り方」と「電子レンジやオーブンを使用した作り方」、「表面の白いカビの正体」について説明させて頂きます。

 

干し芋の作り方

元々家庭で作られる物ですが、最近では様々な作り方の干し芋が存在します。

本来であれば、サツマイモを水洗い後、「皮を剥かない状態」で1時間以上時間をかけて蒸した後、皮を剥きます。

 

長ければ長い程良いと言う訳では有りませんが、皮を剥かない状態で長時間蒸す事は、美味しい干し芋を作る上で大切な意味が有り、「デンプン」を長時間蒸して「糊化」させる事によって、はじめて「ベータアミラーゼ」と呼ばれる酵素が作用させます。

「ベータアミラーゼ」は、「デンプン」を「麦芽糖」に変化させ、あの美味しさを生み出します。

 

この「麦芽糖」は、「美味しい干し芋の象徴」とも言われる表面の白い結晶の正体でも有り、しばしば「カビ」と間違えられてしまいがちです。

その後、冬の厳しい寒風に数週間〜1ヶ月近く晒しながら表面が白っぽくなるまで待ち、常温保存の場合は1ヶ月位で食べ切ってしまいたい所だと言われています。

 

電子レンジを使用した「干し芋風」の作り方

本来であれば、1〜2時間程度は蒸しますが、お皿にサツマイモと水を入れ、電子レンジで加熱調理し、天日乾燥させる方法も有ります。

ただ、先ほどでも説明させて頂きましたが、長時間「蒸す」訳では有りませんので、「糊化」が十分では無い場合が多く、「セミドライ(半乾燥)」状態であったとしても、長時間蒸して加熱して作った干し芋よりも「仕上がりが固い」場合が多いと言われています。

 

ですが、最近では、サツマイモの品種改良や交配も進み、電子レンジ調理でも十分に美味しく食べる事が出来る種類も有りますので、それで「干し芋風」を作った場合、理論上は「正統派干し芋」と謙遜無い筈です。

 

オーブンを使用した「干し芋風」の作り方

これは、「電子レンジ」で作る場合とは違い、少し乾燥させた「焼き芋」にとも言える仕上がりになりますが、「低温のオーブン」を使用し、両面を2〜3時間かけてゆっくりと加熱しながら乾かしていく作り方です。

天日干しで乾燥させている訳では有りませんので、長期保存には適しておらず、ストレートにサツマイモの味が出ますので、美味しいと有名なサツマイモで作った方が良いと思います。

 

干し芋のカビの正体と見分け方

干し芋の表面に白い小さな点状の物が目立つようになり、表面全体が白くなる場合も有り、「カビ」かどうかが不安になる場合も有ると思います。

正体は「麦芽糖」と呼ばれる糖分で、「干し柿」の表面が白くなる現象に似ていると思います。

 

特に干し芋を乾燥しきった状態(ドライ)にすると起きやすく、柔らかさを残した半乾燥状態(セミドライ)にすると比較的起きにくいと言われています。

ですが、干し芋も条件が重なると「カビ」が発生してしまう事が有り、一番間違えられやすいのが「白カビ」です。

 

ペニシリン属の「青カビ」、タマカビ目の「茶かび(赤カビ)」、クラドスポリウムの「クロカワカビ(黒色)」のように、白以外のカビは、説明の必要は無いと思います。

明らかに干し芋全体がカビに侵食されている場合は別ですが、標準的な健康状態であれば、少量カビを摂取した位では身体に害は無いと言われています。

 

ただ、「黒カビ」の場合は、危険な場合も有りますので、注意が必要だと言われています。

また、干し芋を口に含んだ時に明らかにカビのような味がした場合は、口から吐き出し、口をシャワー等の流水で洗い流す等をした方が良いと思います。

 

干し芋の糖分とカビの明確な見分け方

サツマイモが乾燥していく工程で表面の糖分が結晶化する場合は何ら問題は無く、表面に出来る白色の結晶は、デコボコ等が殆ど無い状態です。

一方、「カビ」は「胞子」ですので、表面が小さなドーム状になっていたり、「綿(ワタ)」のような状態であったり、丸状では無い場合も多いです。

 

また、白いカビの中心部分が緑色になっている場合も有り、表面を軽く臭うと明らかに「カビ臭い」場合が多いです。