麻ジャケットの染め直しを失敗してしまう前に

麻は、洗濯やクリーニング、日光等によって「風合い」が変化し易い素材の一つで、「エイジング」として楽しむ方と、「染め直し」をする事によって新しくする方が居られます。

最近では、麻ジャケットの締め直しをして頂けるお店も有り、紳士物ジャケット位の大きさであれば、5000円前後が相場位だと言われています。

 

基本的に染める前と染め直しした後でしたら、後の方が基本色を濃くした方が失敗しにくいです。

自分で染め直しする場合は、購入時の色に戻す事は難しいと思いますので、購入時の色よりも濃い目にした方が良いと思います。

 

麻ジャケットを自分で染め直しする場合

「麻」用の染料だけでは無く、基本的に「天然素材系」の繊維用染料でも染められる場合が多く、商品説明欄に「麻も染色可能です」のようなニュアンスで記載されている事が多いです。

ダイロン社の染料は歴史が長く、「マルチ」は80度以上のお湯と塩で染め直しが出来、「プレミアムダイ」は40度以上のお湯と塩で染め直しが出来ます。

 

しっかりと麻ジャケットを染めたい場合は、繊維重量に対しての規定量よりも少し多目に入れ、同社が販売している「カラーストップ」で色止めした方が仕上がりは美しいです。

マックスポイント社の「Rit(リット」」も人気で、70度以上のお湯と塩で染め直しが出来、同社の「ベストカラー」は、90度以上お湯と酢で染め直しが出来ます。

 

「Rit」「ベストカラー」共にPhoenixBrandsRit(フェニックスブランドリット)社の「ベストフィックス」と呼ばれる溶液で定着させる事が可能です。

 

自分で染め直しする場合の注意点

麻ジャケットに関してもそうですが、天然素材系を染め直しする場合は特に「色落ち」し易く、色が定着しにくいです。

仮に「藍色」に染め直ししたい場合、均一に染め直しするのは、なかなか難しい作業で、「生地の折れ目」「重なった部分」等は上手く染まりにくいです。

 

思った感じと違う風合いに染まってしまう場合も多く、出来れば目立たない場所でテストしたり、余った生地等を染めて風合いを確かめた方が確実です。

また、色移りしやすい生地の物や白色の衣類と一緒に洗濯機に入れてしまった場合、色移りして大半な事になる可能性が高いです。

 

特に麻は比較的熱に弱く、「縮み」が生じてしまう可能性も有り、思い入れの有る服の場合は、染め直し専門の場所に出した方が良いと思います。

リネンジャケットをいつまで着るか迷った場合」の記事も参考にしてみて下さい。