松花堂弁当の配置と由来、調理時のポイント

松花堂弁当は、本来十字型の仕切られた器の事を意味しますが、最近では正方形に仕切られているのでしたら、6個に仕切られた物や、12個に仕切られている物も「松花堂弁当」として提供される場合も有り、必ず4個に仕切られていると言う訳では有りません。

 

「幕の内弁当」「弁当」と同じような構成になっていますが、松花堂弁当として提供されている場合も有ります。

基本的に「お弁当」ですので、「ご飯」「刺し身」「焼き物」「煮物」の4種類で構成されている事が多いのですが、「ご飯」「赤だし」「香の物」を別の器で提供する場合も多いです。

 

松花堂弁当の正しい配置

◯右奥「向付」

「向付け(むこうずけ)」は、会席料理に使用される言葉で、「お刺身」「酢の物」が提供される事が多いです。

会席料理の場合は、「御膳」の「向こう側」に置かれる物ですので、松花堂弁当の場合も「向こう側」に配置されるのが正しいです。

 

調理後にすぐに食べてしまう場合は問題有りませんが、「刺し身」を使用する場合は、「酢締め」「湯引き」「炙り」「漬け」等で「一手間」加えた方が、腐りにくいです。

 

◯左奥「御菜」

「御菜(おさい)」は、「副菜」の丁寧語で、基本的にご飯と一緒に食べる事が目的で調理された物が多く、今で言う所の「おかず」的な役割です。

松花堂弁当ですので、持ち運び時間等が必要な場合は、腐りいくさ等も考え、気持ち濃い目の味付けにした方が良いと思います。

 

◯左手前「煮物」

特に説明の必要は有りませんが、松花堂弁当にして持ち運びが必要な場合は、「片栗粉」「コーンスターチ」「葛粉」等で、煮汁をやや固めにとろみをつけてしまった方が良いです。

また、「醤油差し」「ドレッシング入れ」等で煮汁を「別添え」にしてしまう方が良いと思います。

 

◯右手前「ご飯」

「ご飯」は意外と腐りやすい物ですので、持ち運び時間が必要な場合は、「炊き込みごはん風」「酢飯風」等にした方が腐りにくいです。

 

格式高い松花堂弁当

松花堂弁当は元々、江戸時代に芸術家としても活躍していた、農家出身の「学僧」、「松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)」が愛用していた「煙草盆」の事で、「仕切り付きの箱」から来ています。

江戸時代当時から存在していたと言う訳では無く、長い年月を経て、昭和頃、「吉兆」創始者によって、現在の松花堂弁当へと昇華されました。

 

混同されてしまう事が多い、「幕の内弁当」「弁当」とは異なり、格式が高いです。

松花堂弁当の盛り付けの正解と幕の内弁当」の記事も参考にしてみて下さい。